盤谷日本人商工会議所について
会頭ご挨拶
第53代 会頭 酒井 宗二
バンコク日本人商工会議所(JCC)は、会員企業数1,748社(2017年4月末現在)を数える世界最大規模の在外日本人商工会議所です。1954年に設立されたJCCは、半世紀以上にわたり日タイ両国間の貿易促進、タイにおける投資環境整備など、経済発展に資する事業のみならず、両国間の文化交流やタイの皆様への教育支援といった社会貢献活動を推進するなど、幅広い活動を展開しています。
さて、皆さまご承知の通り、現在、タイ政府は「タイランド4.0」と名付けた産業の高度化、高付加価値化策に取り組んでいます。具体的には、今後、成長が見込まれる産業10分野を成長エンジンと位置づけ、これらの産業への投資を呼び込むことで、いわゆる「中進国の罠」を抜け出そうとしています。また、タイ東部の3県、東部経済回廊EECと呼ばれる地域においては、これらの産業の誘致とインフラ整備を同時に行うことで、成長を加速させようとしています。
私たち在タイ日系企業各社におきましても、周辺国との厳しい競争を勝ち抜いていくためには、産業の高度化、高付加価値化は不可欠であり、タイ政府が取り組む「タイランド4.0」の方向性とは、まさに同じ想いであるといえるのではないかと思います。本会議所といたしましては、タイ政府の産業振興策に積極的に要望をお伝えし、会員企業が活躍しやすい環境を整えることで、タイ国の発展にも貢献できればと考えております。特にデジタル、メディカルの産業分野、および東部経済回廊EECについては、新たに設置した委員会を通じ、しっかりと対応をしていきたいと思います。
また、2017年は日タイ修好130周年の記念すべき年となります。本会議所は、1月の記者発表において、日タイ修好130周年記念事業として、「つなぐPROJECT」と名付けた社会貢献活動を、今後10年間に1億2千万バーツというかつてない予算規模で、継続的に取り組んでいくことを表明いたしました。本年はその初年度となりますので、従来から実施しております学生への奨学金などの取り組みに加え、「障がい者専門学校への支援」や「アユタヤ日本人村の施設整備」など、新たな社会貢献活動にも取り組む予定です。
これらの活動が、ご参画いただく会員各位のご協力の上に成り立っておりますことは言うまでもありません。各取り組みをより実り多きものとするためには、会員の皆様からの声が不可欠です。事業を営まれている中で、何かお困りのことがございましたら、部会、委員会、各種調査、事務局などを通じまして、ぜひ、忌憚なきご意見をお寄せいただければと思います。
今後とも引き続き、皆様よりの暖かいご支援、および積極的なJCC活動へのご参画を賜りますことをお願い申し上げます。
2017年6月