盤谷日本人商工会議所について
会頭ご挨拶
第54代 会頭 菅田 道信
盤谷日本人商工会議所(JCC)は現在、会員企業数は1,762社を数える世界最大規模の在外日本人商工会議所です。1954年に設立されて以降、半世紀以上にわたりタイにおける投資環境整備や貿易促進など経済発展に資する事業のみならず、タイの皆様への教育支援など、タイ社会への貢献活動にも積極的に取り組んでまいりました。
今年度のJCC活動につきましても、これまでの取り組みを継承しながら、以下の3つの柱を軸に据え、展開してまいります。
1点目は「要望活動を通じたビジネス環境の改善」への取り組みです。皆様ご承知の通り、現在タイ政府は、産業の高度化、高付加価値化を目指した「タイランド4.0」を掲げ、新たな政策を打ち出しております。このような新しい政策の中に私たちの要望を反映することにより、在タイ日系企業のビジネス環境の更なる改善、あるいは新たなビジネスチャンスの創出、ひいてはタイ経済の発展にもお役にたてればと考えています。
2点目は、「デジタルによる各種連携の推進」です。産業の高度化という観点について、デジタル技術をいかにビジネスバリューチェーンに取り入れるかがひとつの鍵になると考えています。あらゆるモノがデジタルで繋がる社会、いわゆるConnected Industriesという考え方に注目していきたいと思います。タイには5,000社を超える日系企業が進出し、特に製造業においては多くの企業が連携しながら生産活動に取り組んでいます。このConnected Industriesという考え方は、情報のリアルタイムでの見える化、フレキシビリティ、リードタイム削減という観点で、今後より重要になってくると思います。今年度は、このConnected Industriesをひとつのキーワードとして、近未来に導入されるであろう新技術、ビジネスや働き方の変革について、セミナーの開催等を通じて、会員の皆様とともに考えていきたいと思います。
3点目は、「東部経済回廊・EEC政策」にも引き続き注目してまいります。本年2月にEEC法が成立し、タイ政府のEEC政策は、これまでのビジョンを示す段階から実行に移す段階に入ってまいりました。これらの政策が有効かつ着実に実行されるよう、チャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンのEEC3県に立地される278社のJCC会員企業をはじめ日系企業の皆様のお声もお伺いしながら、タイ経済発展への貢献に取り組んでいきたいと思います。
この他、従前より取り組んでおります、「ネットワーキングランチ」のようなカジュアルな会員交流の場はさらに活発に継続させて頂きますとともに、タイ社会への感謝の気持ちを奨学金や障がい者支援などの形でお伝えし、お返しする社会貢献活動にも引き続き力を入れて取り組んでいきます。
以上のような活動は、会員各位のご協力の上に成り立っておりますことは言うまでもありません。事業を進められる中で、何かお困りのことがございましたら、部会、委員会、各種調査、事務局などを通じまして、ぜひ、忌憚なきご意見をお寄せいただければと思います。
今後とも引き続き、皆様からの暖かいご支援、および積極的なJCC活動へのご参画を賜りますことをお願い申し上げます。
2018年6月